スマート・フォーマットとは


アセットオーナー(年金基金等)に対するアセットマネージャー(運用受託機関)からのスチュワードシップ活動報告に関する新しい報告モデルです。

スチュワードシップ活動の中核的な項目を網羅したレポート様式で、これを活用することでアセットオーナーは各項目に対するアセットマネージャーの回答をまとめて集計し、 効果的なモニタリングが可能になるというメリットがあります。

スマート・フォーマットのご紹介


スチュワードシップ責任とインベストメント・チェーン

2017年の日本版スチュワードシップ・コード改定においては、アセットオーナーが最終受益者の利益の確保のため、スチュワードシップ活動に取り組むべきと明記されています。

アセットオーナーは、最終受益者の利益の確保のため、可能な限り、自らスチュワードシップ活動に取り組むべきである。また、自ら直接的に議決権行使を含むスチュワードシップ活動を行わない場合には、運用機関に、実効的なスチュワードシップ活動を行うよう求めるべきである。

また、2018年6月1日にコーポレートガバナンス・コードが改定されました。そのなかで、新たに「原則2-6 企業年金のアセットオーナーとしての機能発揮」が設けられました。

上場会社は、企業年金の積み立て金の運用が、従業員の安定的な資産形成に加えて自らの財政状況にも影響を与えることを踏まえ、企業年金が運用(運用機関に対するモニタリングなどのスチュワードシップ活動を含む)の専門性を高めてアセットオーナーとして期待される機能を発揮できるよう、運用に当たる適切な資質を持った人材の計画的な登用・配置などの人事面や運営面における取組みを行うとともに、そうした取組みの内容を開示すべきである。

上記の原則においては、 アセットオーナーは、アセットマネージャーが行うスチュワードシップ活動のモニタリングと、その取り組みの最終受益者への報告が新たな役割として期待されるようになっています。

インベストメント・チェーン(イメージ図)

資金の流れ

年金基金をはじめとするアセットオーナーは最終受益者から資金を受託し、アセットマネージャーに運用を委託します。アセットマネージャーはアセットオーナーから預かった資金を様々な形で企業に投資します。

説明責任

企業は株主であるアセットマネージャーに対し、アセットマネージャーは資金の委託者であるアセットオーナーに対し説明責任を、さらにアセットオーナーは最終的な資金の出し手である最終受益者に説明責任を負います。

上記は、例示をもって理解を深めていただくことを目的とした概念図です。

新たな報告様式(「スマート・フォーマット」)は、各アセットマネージャーによるスチュワードシップ活動への取り組み状況を、アセットオーナーが一元的に把握できる仕組みを実現したものです。

国内における主要な運用機関が中心となり、業界の様々なステークホルダーとの意見交換も踏まえ作成された結果、業界共通の「日本版スチュワードシップ・コード対応報告様式」となりました。また、スマート・フォーマットはスチュワードシップ活動のベストプラクティスの共有、高度化の一助となると考えております。

レポート形式としては、スチュワードシップ活動の中核部分を把握できるような標準的質問項目が設定されており、アセットオーナーにとって、アセットマネージャーによる報告内容が統一されることに加え、最終投資家への報告書作成においても価値あるものになると考えております。

スマート・フォーマットは、アセットマネージャー(運用機関)によるスチュワードシップ活動への取り組み状況を、アセットオーナー(企業年金基金)の皆様で一元的に把握できる仕組みを目指し、作成されました。

①標準的な質問項目の提供(スマート・フォーマット)
②スマート・フォーマット上で各項目に関するアセットマネージャーの回答をまとめて集計、モニタリング

上記2つのプロセスにより実現します。

スマート・フォーマットの活用

報告様式の共通化による利点

アセットオーナーにとって

  • 各アセットオーナーが毎年質問事項を検討、承認するプロセスの中で業界のベストプラクティスを共有
  • 報告内容の標準化によりアセットマネージャー間の比較が容易(新規採用の際の参考にも利用可能)

アセットマネージャーにとって

  • スチュワードシップ責任の担保、報告の透明性の確保
  • スチュワードシップ活動の更なる高度化に向けた業界内連携の確保

スマートフォーマット(イメージ図)

スマートフォーマット(イメージ図)

上記は例示を目的とするものです。

この報告モデルはあくまでもアセットオーナーとアセットマネージャーとの間の説明責任を担保する一助となるものであり、各アセットオーナの独自性や創造性を妨げるものではありません。むしろ専門性や生産性の向上によって、より創造的な分野への取り組みを促進することを目的としております。

スマート・フォーマットの構成

スマート・フォーマットの構成

各年金基金において独自の報告が必要となる場合は、運用機関において追加的に対応することを想定しております。逆にアセットオーナーに課題意識があれば、スマート・フォーマットに加え、プラスアルファで独自の追加質問を設定することでヒアリング範囲を拡大させ、スチュワードシップ活動を深化させることができます。

※スマート・フォーマットは、適宜バージョンアップ予定

スマート・フォーマットの使用方法

スマート・フォーマットは日本版スチュワードシップ・コードに対応した、スチュワードシップ活動に関する報告様式です。

①運用受託機関(アセットマネージャー)が、お客様(アセットオーナー(年金基金等))へスチュワードシップ活動について報告をする際に利用できます。
②アセットオーナーはこの内容を集計、モニタリングをすることで、アセットマネージャーのスチュワードシップ活動に対するアプローチや活動状況を把握することができます。

報告、集計共に同じExcelファイル上で行います。

スマート・フォーマットのファイルには5つのシートがあり、「スマートフォーマット」、「議決権行使状況」については、アセットマネージャーが入力、それをもとにアセットオーナーが「集計元」を用いて集計することで、各アセットマネージャーのスチュワードシップ活動状況を横並びで比較できるようになっています。また「集計」のシートは自動で項目別の状況が示されるため、運用委託機関の状況を一目で把握できる機能を備えています。

Excelシートのタブ

Excelシートのタブ

スマート・フォーマットの手引き

アセットマネージャー向け

提出の際には以下の全てのシートが含まれていることを確認してください。
このうち シートA. スマートフォーマット 及び シートB. 議決権行使状況 を入力します。

アセットマネージャー向け

A. 「スマートフォーマット」シートサンプル(一部抜粋)

「スマートフォーマット」シートサンプル

B. 「議決権行使状況」シートサンプル(一部抜粋)

「議決権行使状況」シートサンプル

アセットオーナー向け

以下の全てのシートが含まれていること、アセットマネージャーによりA. スマートフォーマット 及び B. 議決権行使状況が入力されていることを確認してください。シートA及びシートBに入力されたデータを、シートC~Fを用いて集計します。

アセットオーナー向け

各アセットマネージャーから提出された「スマートフォーマット」の当該箇所を「集計元シート」に貼り付けることで、「集計表」が作成され、アセットマネージャー間の比較が容易にできる仕組みとなっています。

C. 「集計元」シートサンプル(一部抜粋)

「集計元」シートサンプル

D. 「集計表_スチュワードシップ活動全般」シートサンプル(一部抜粋)

「集計表_スチュワードシップ活動全般」シートサンプル